KinKi Kidsにハマりながら

KinKiや、ミュージカル、美術鑑賞のことを綴ってます。

「ラブネバーダイ」観劇の感想。。。

おかげさまで今年はSHOCKに当選でき、近々観劇予定になっております(^^)

ちょっとその前に、1月に観劇しましたミュージカル「ラブネバーダイ」の感想をと思い、自分の忘備録代わりに書きますが、ネタバレはもちろんのこと、いつものように忌憚のないこと申しますので、お読み下さる方はご注意くださいませ。





私が観ましたのは、市村正親さんファントムと、平原綾香さんクリスティーヌの公演で、ミュージカル界のレジェンドとして有名な市村さんですが、私が実際に市村さんの舞台を観たのは、実は今回が初めてでした。
市村さんは、「オペラ座の怪人」日本初上演の初代ファントムですもの、これはぜひとも観ておかなければと思い参りました。

オペラ座の事件から10年後という設定で、舞台がフランスのオペラ座から、ニューヨーク、コニーアイランドにある遊園地のサーカス見世物小屋に移ってます。
マダム・ジリーとメグ母娘の手助けでニューヨークに逃れた怪人は、そこで身分を隠したまま興行師として成功を収めますが、クリスティーヌをいまだ忘れることができず、クリスティーヌとラウル夫妻とその息子のグスタフを、身分を偽ってニューヨークに招くことから物語が始まります。

舞台セットがとても凝っていて非常に豪華でして、もうそれだけでも楽しませてくれました。
場面が変わるごとに、船着き場、ホテルの豪華な一室、遊園地、サーカス小屋、不気味な見世物小屋、NYのカフェバーなど次々と再現されるので、さながらテーマパークにいるような感じがしましたね。

衣装もとても素敵です。この時代のファッションや雰囲気が好きなので、目の保養になりました。
なかでもクリスティーヌの衣装は本当に豪華で、白のたっぷりとレースがあしらわれたドレスや、最後のステージで身にまとう孔雀の羽を模したドレスなど、ここ最近SHOCKとナイツテイルしか見ていなかったので、久しぶりにこんな華やかなドレス姿を見たわと思いました。

市村ファントムは、カリスマ性のある芸術の神であるファントムというよりは、内容的なこともあるし、年齢的なこともあってか、強い父性と、包容力がにじみ出てるように感じました。
歌声も澄んでるというよりは温かみがあるので、猟奇的な怪人というよりは、クリスティーヌに愛されたいだけの人間くさい一人の男という感じがしました。
なかでも、圧巻だったのは、ファントムがクリスティーヌと再会する、突然バルコニーから現れるシーンです。
迫力というか貫禄というかオーラというか、これぞファントム、これぞ、レジェンドと呼ばれる市村さんのオーラだと、ちょっと鳥肌が立ちましたね。
市村さん、それほど体格的には大きい方ではないように思いますが、舞台上だと非常に大きく感じるから、流石です。

平原綾香さんは、独特のハスキーボイスが特徴的ですが、セリフの時は、子を持つ母親としてのクリスティーヌの落ち着きを表現するのに、とても適しているなぁと思いました。
そのうえ、アリアを歌ってるときは、そういった平原さんの独特のクセが全く感じられず、ソプラノオペラ歌手そのもので、本当に本当に歌がお上手です。
最後のアリア「愛は死なず」は、観客みなが固唾を飲んで聴き入り、思わずブラボーって叫びたくなる気持ちがよく分かりました。

サーカスのような大道芸シーンや、メグが率いるコケティッシュなダンスシーンなど目でも楽しいですが、やはり、このミュージカルは歌が中心ですので、役者全員の歌唱力が一番大事になると思います。
皆さんお上手でしたし、クリスティーヌは、常に歌ってる感じなので、やはり平原さんの実力は素晴らしいと思います。
グスタフ役の男の子の歌唱力も半端なく上手かったですね。ボーイソプラノを維持しなければいけないので、演じられる年齢が限れてくるとは思いますが。

劇中に所々、「オペラ座の怪人」の曲がインストで散りばめてあるのが、ファンとしては大変嬉しかったです。
「ラブネバーダイ」の楽曲では、「月のない夜」と、「愛は死なず」が一番印象に残りました。ただ残念ながら、その2曲しかあまり印象に残ってないというの正直なところでして。。。(^^;) 
アンドリュー・ロイド・ウェバーをもってしても、自身の名作「オペラ座の怪人」を超えるのは難しいんだなぁと思いました。

しかも、ストーリーが、昼のメロドラマ顔負けの下世話な愛憎劇で、「オペラ座の怪人」に漂っていたゴシックロマン的な優美さは、一切無くなっておりました(^^;)
事前にあらすじを知って行ったので、そういう内容だとは分かってはおりましたが、もう少しオブラートに包んだ間接的な表現なのかなと思いきや、直接的なドロドロ具合でして、もう少しロマンティックな部分が残されていて欲しかったと思いました。
なので、今回どのキャラクターにも共感できないですし、グスタフ以外全員、悪人のようです(笑)
ファントムは、自己中の盲目的な男という感じですし、クリスティーヌは流されやすい都合のいい女という感じに思えるし、ラウルに至っては相当なクズ男に成り下がっていて、「オペラ座の怪人」の時のような王子様キャラは跡形もなく、マダム・ジリーとメグは嫉妬に狂う女になってるし。。。
ラウル役も、もちろん歌の上手な俳優さんがされてるのに、歌う場面が少なくて、もったいないとも思いましたし。
オペラ座の怪人」は、ファントムとラウルがクリスティーヌを取り合う三角関係が中心の話でしたが、「ラブネバーダイ」は、マダム・ジリーとメグ母娘がファントムを求め、ファントムはクリスティーヌと息子を求めるという話なので、ラウルは脇役扱いでしたね。。。(^^;)

というわけでして、ストーリーはいただけないのですが、ただ、石丸幹二さんファントムと濱田めぐみさんクリスティーヌも、観てみたかったなぁとは思いました。
ダブルキャストのミュージカルは、同じ演目でも主演によって、全く違う印象なると思うので興味が湧きますが、いかんせん地方住みの為、行ける日時が限られるのが残念なところです。