KinKi Kidsにハマりながら

KinKiや、ミュージカル、美術鑑賞のことを綴ってます。

ミュシャ展とクリムト展

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渋谷Bunkamuraザ・ミュージアムで開催されていた「みんなのミュシャ展」を見てきました!

美しくてロマンティック、そして退廃的でセクシー、やっぱりミュシャの絵が好きだわ♡と再認識しました。

ポスターの実物の大きさが、想像以上に大きかったり、色彩も認識してたのと違ったり、細部まで詳しく見ることができるので、やはり本物を見ると、とても感動しますね。

今回の企画では、ミュシャに影響を受けたアメコミ作家や、有名な少女漫画家さんや、天野喜孝さんの画も展示してあり、こちらも必見でした。

 

 ところで、あまりに思い入れが強い画家だったり、思い入れの深い絵を、実際に間近で見て、ちょっとイメージしてたのと違うと感じることはありませんか?

私は、大好きなクリムトの展覧会で、そのようなギャップがおきました。

 

「接吻」が大好きで、いつかこれを見にウィーンに行きたいと思っているくらい思い入れも強く、またクリムトの画集や彼のことについての書籍も読むぐらい大好きなので、都立美術館で開催されてたクリムト展に、もちろん喜び勇んで見に行きました。

 

最大のお目当ては、こちらの有名な「ユディットI」でしたが、本物を目にした時、最初の感想が、「思っていたよりも地味な絵だわ」という、しょうもないことでした(^^;)

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 画集で見ている時は、金の装飾で彩られた派手なきらびやかさと、淫靡で退廃的でエロティシズム満載というイメージでしたが、実際の画を見ると、金色はキラキラと輝いるというよりはくすんでおり、それによって、黒、とりわけ青色を強く感じました。

 

他の絵にしても、白人女性をモデルにしてあるから青色がベースに多く使われているのは分かりますが、肌の色以外にも、背景の装飾部分にもベースに青が多用されていました。

そして、クリムトの絵は、エロティシズム、性よりも、死、老いを強く感じさせる絵が多いと感じました。

 

クリムトは結婚こそしてませんが、沢山の女性と関係を持ち子供も沢山いたので、恋多き大の女性好きなのかと思っていましたが、実のところ、女性を愛してたというよりは、女性を観察しどこまでも冷徹に俯瞰してた人なのではと思いました。

女性に対して全く理想も抱かず、一切夢も見ない描き方に、クリムトって、えげつないわ~って思ってしまいました(笑)

特に、年老いた女性の描き方は、グロテスクでリアリティあり過ぎだし、若い女性の裸体にしても、美しく描こうとはしてないよねって(^^;)

 

女性をリアルに描くと言う意味では、二人とも共通はしてますが、あくまでも魅力的に美しく描き、少女漫画の原型とも呼べるミュシャの絵と、女性が持ってる残酷さ、醜さをどこまでもリアルに描き出したクリムトの絵。

まぁ、女性なら、誰しもミュシャに愛されたいって思うかもしれませんね。

クリムトさん、あまりにもリアル突きつけてくるから、ちょっと怖いわ~www

エミーリエ・フレーゲさんが、いかに凄い女性だったのかと頭が下がりましたw

 

 

 

ギュスターヴ・モロー展

今年は、観劇やその他の用事で東京に出るたびに、美術展にも足を運ぶようにし、KinKiのお二人に会えない寂しさを紛らわすためと、お二人の代わりになるような美を求め、目の保養に努めてます。

というわけで、パナソニック留美術館で開催中の「ギュスターヴ・モロー展-サロメと宿命の女たち-」に行ってまいりました。

もちろんお目当ては、この有名な「出現」です。

《出現》  1876年頃 油彩/カンヴァス 142×103cm Photo ©️RMN-Grand Palais / René-Gabriel Ojéda / distributed by AMF ギュスターヴ・ モロ一美術館蔵


耽美で背徳的という、まさに、オスカーワイルドの「サロメ」の世界観ですね。
この破滅的な美女を間近で見たくて行ったのですが、しかし、このサロメの顔、いくら近くで見ても、目、鼻、口がぼんやりとしていて、はっきりとした表情が読み取れないんですよね。
しかも、後ろに座る義父であるヘロデ王と、ヨハネの首を所望しろと命じた実母のヘロディア妃の姿が、まるで亡霊かようにぼんやりと描かれています。
でも、実際はヨハネの首の方が亡霊でしょうから、この表現の仕方も面白いと思いました。
サロメ以外には、ヨハネの姿が見えてないような気がしますし、
サロメには、ヨハネの姿しか見えてないような気がします。
人物は全てわざとぼやかして、見る側の想像に委ねたのだろうと思いました。

オスカーワイルドの戯曲では、母ヘロディア預言者カナーンヨハネ)の首を欲するのではなく、サロメがヨカナーンに恋し、どうしても手に入れようと、舞を踊った褒美に、サロメ自身が彼の首を所望し、その切り落とされた首にキスをするという、より妖しく猟奇的な物語になってます。
なので、この絵のサロメヨハネがお互いを見つめ合ってるとするならば、サロメの恋はある意味成就したことにもなりそうですが、何となく私には、サロメヨハネを見つめているけど、ヨハネは誰とも目線を合わせず遠くを見ているようにもみえるので、永遠の片思いの図に感じられました。

写真だとわかりにくいですが、実物の絵では、人物がぼやかしてあるのとは対照的に、背景の柱や建物に施された文様が立体的に浮かびあがるかのように鮮明に描かれています。
西洋的というよりは、東洋であったり、中南米的な文様をたくさん取り入れたようで、そのデッサンも一緒に展示してありました。
どこの国でもない想像上の世界であり、より一層ロマンティックでファンタジーなイメージを強く感じました。

この他にも、美しい衣装纏い踊るために控えているサロメの絵も、とても素敵でしたし、神話の中で男性を誘惑するファムファタルとして有名な、セイレーンやスフィンクスの絵も、非常に魅惑的でした。

そして、このような蠱惑的な女性像とは少し違いますが、やはり妖艶に感じられる思った絵がこちら

《一角獣》 1885年頃 油彩/カンヴァス 115×90cm Photo ©️RMN-Grand Palais / René-Gabriel Ojéda / distributed by AMF ギュスターヴ・ モロ一美術館蔵

貞節の象徴とされ、純潔の乙女にだけは従順になるという幻の動物一角獣を描いた絵ですが、やはり、清らかさと同時に蠱惑的で、人を狂わせそうな色気を感じました。


パナソニック留美術館、今回初めて参りましたが、展示数はそこまで多くはありませんが、ショールームの一番上に位置し、非常に綺麗で見やすくて気に入りました。開館と同時に入ったのもあり、気に入った絵をゆっくりと見ることができて非常に良かったです。






忘れえぬ女(ひと)見てきました。。。

では、さっそくですが、美術巡りの感想です。

Bunkamuraのザ・ミュージアムで開催中のロマンティック・ロシア展に行ってきました。お目当ては、もちろん、この絵画。

イワン・クラムスコイ作の「忘れえぬ女(ひと)」
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英語のタイトルでは、「The Unknown Woman」=「見知らぬ女」となっていたのを、
「忘れえぬ女(ひと)」と違訳したセンスを、まず称賛したいですね。
原題「Basic Instinct」(基本の本能)という映画を、邦題「氷の微笑」としたのと同じぐらい、日本語タイトルの方が秀逸だと思いました(笑)

この美しい女性について、発表当時も話題になってたそうです。
帝政ロシア時代に描かれた絵なので、身なりの良い女性なのに、幌を上げて顔を見せてること自体、はしたないこととされていたようなので、この女性は高級娼婦なのではないかと非難されたそうです。
でも、一番有力とされてるのは、実在のモデルではなく、トルストイの「アンナ・カレーニナ」をイメージして描かれたのではという説です。
トルストイとクラムスコイは親交があったので、トルストイが先にこの絵を見て、アンナ・カレーニナ像をイメージしたのではないかとも言われているそうです。

いずれにせよ、ファム・ファタール、蠱惑的な女性像は、世紀を超えて人々を魅了するから、永遠の命を持てますよね。
ちょっと見下したような高圧的な視線なのに、誘惑されてるような気持ちになるのは、この愛らしい頬と唇のせいでしょうか。
ちなみに私はこういった小悪魔的な女性が大好きでして、ルパンの不二子ちゃんが永遠のマドンナです。
女性ではないけど、剛さんを好きなのも、こういった蠱惑的な魅力があるからですし。
たぶん私に無いものばかりだから、強く憧れるのでしょう(笑)

オープン前に並んで美術館に入ったので、まだ入館者がさほど多くなかった為、この美しい女性を、一時だけでも独り占めできる時間が持てました。
現物を見ると、洋服の細部まで本当にリアルで非常に凝っているのが分かります。
毛皮の質感も、コートのビロードのような布地感も、サテンのリボン、帽子についてるレース飾りにしても、とてもリアルに描かれていて大変美しいです。
チラリと見える金のブレスレットと薄手の手袋した手首が、光一さん風に言えば、エロい感じがしました(笑)
帽子はちょっと古めかしいですが、コートに関しては今でも通用するくらい素敵だなぁと思いました。

他にも美しいロシアの四季の風景画や女性像、子供たちの絵などもありますし、もうすぐ開催が終わってしまうので、ご興味ある方は、いらして損はないかと思います。