KinKi Kidsにハマりながら

KinKiや、ミュージカル、美術鑑賞のことを綴ってます。

宝塚宙組「オーシャンズ11」の感想

遅くなりましたが、やっと宙組公演「オーシャンズ11」に関する感想になります(^^;)




まずオープニングから、オーシャン役のトップスター真風涼帆(まかぜすずほ)さんが、お一人だけで銀橋(花道)の中央に突然、姿を現します。
いきなりのご登場に驚くと同時に、一気に劇場のテンションが上がります。
刑務所に入ってるオーシャンのもとに、妻のテスから離婚申請を依頼されてる弁護士が現れることから物語は始まります。
そしてその二人の会話が終わると同時に、真風さんの衣装が一瞬で早変わりし、華々しいオープニングのショーがスタートします。

舞台も一気に、カジノをイメージした華やかなセットになり、スロットマシンが何台も並べられるのですが、近くで見てもまるで本物みたいによく作り込まれてることに感心しました。
キャストが次々と順に現れて、全員が揃って歌い踊るさまは、これから始まるという高揚感でワクワクさせますし、やっぱり宝塚特有の華やかさがありますね。

真風涼帆さん、歴代男役トップの中でも相当な高身長なお方だそうで、確かに、背が高く、足もほんと長くて、モデルさんのようでした。
美人顔というよりは、超男前クールガイといった雰囲気のお顔立ちですね。
だから、並みの男じゃ太刀打ちできないくらいのイケメンぶりでして、男装姿の映えること映えること。
幼馴染が惚れ込むのも納得です(^^)
普通、男役さんは娘役さんと身長差をつける為に、かなり高いヒールの靴を履いてるものですが、真風さんは普通の革靴でも十分に背が高いですし、娘役さんと並んだ姿が、とてもサマになります。

そして、娘役トップでテス役の星風まどかさん、ポスターを見た時から、とても美人なかただわと見惚れておりましたが、実際目の前で見ると、写真よりも、もっともっと容姿端麗なかたで、ほんと、ものすごい美人さんでスタイルも抜群です。

でも、私は昔から2番手男役さんを気に入る傾向があるようで、今回もオーシャンの相棒ライアン役の芹香 斗亜 (せりか とあ)さんが、とても気になりました。
男役ですが、非常に華やかな美人顔のかたで目を惹きましたね。

ジョージクルーニと豪華俳優陣で大ヒットした映画と、基本ストーリーは同じですが、
テスの職業がキュレーターから、宝塚版では、見せ場を作り易い歌手に変わっているのが特徴でしょうか。
カジノのオーナー、ベネディクトが、新しく建てたホテル「エデン」の新しい歌姫として、現在恋人であるテスを迎え入れようとする話と、
オーシャンが仲間とベネディクトのホテルの金庫から大金を盗み、妻テスを取り戻そうとする話を軸に物語は進んでいきます。

それにしても、映画を見てる方はご存知でしょうが、このお話し、11人の仲間を集めて泥棒する話なので、とにかく登場人物が多い(笑)!
なので、ぞれぞれの分野で能力に長けたメンバーをリクルートする場面を再現する為に、小刻みにシーンと舞台セットがめまぐるしく変わり、間延びがなくて見ていて楽しいには楽しいのですが、ちょっと落ち着かないといいましょうか、裏方さんはさぞかし大忙しで大変だろうなと思ったりしましたね(笑)
おまけに映画にはない、若い歌姫テスを快く思ってない、古株女性シンガーというベタな話までつけ加えてあるから、登場人物がますます増える一方(^^;)

なので、1幕で話が終わらず、今回は2幕もそのままお芝居が続きます。
宝塚は、大作だと2幕まで続きますが、普通の作品だと1幕がお芝居、2幕はレビューショーというのが多いです。
私は、レビューが大好きなので、ちょっと残念に思ってましたが、そこは流石は宝塚、お芝居の中でも、ちゃんと要所要所に華やかなショーを散りばめてくれます。

特に、2幕明けすぐのテスが夢を見ているという設定シーンのショーが素敵です。
ホテル名「エデン」にかけて、「イブ」であるテスが、オーシャンとベネディクトのどちらを「アダム」として選ぶのか、はたしてどちらが、悪魔の化身である「ヘビ」なのかという場面を、御三方で歌い舞うシーンは、このお芝居の中でも非常に名シーンだと思います。

それから、時代を感じたのは、今は宝塚といえど、ヒップホップも踊れないといけないんですね。
ハッカー役の方が踊ってる姿を見て、バレエ、ジャズダンス、日舞はもちろんのこと、
今流行りのダンスも習得せねばならないわけねと、妙に感心しちゃいました。

あとは、アドリブを入れるのも、昔は無かったような気がしますが、たまたま今回はコメディだったのもあり、そういうシーンを盛り込んでいるのか、毎度やっていることなのか分からないのですが、観劇した日が、ちょうど父の日だったので、それにちなんだセリフがあったりしましたね。
観客に向けて声をかけて、レスポンスしてもらう、C&Rをする場面もあったりして、
よりライブ感を味わってもらうような構成にしてあるのかなぁと思います。
昔は、舞台上は完全に別世界であり、お客はただうっとりと観ているだけという感じでしたが、品位を残しつつも、親しみやすいカジュアル感も取り入れてる気がしました。

宝塚歌劇団のアップデートを感じつつも、フィナーレ恒例のラインダンス、大階段、大きな羽根を背負ってのトップスターご登場という、これぞまさに宝塚!という王道も観ることができ、大変満足いたしました。

宝塚はハマると沼が深いのを知ってるだけに、今回は努めて冷静に俯瞰して観ておりましたが、最近、今まで全く見てもいなかった宝塚歌劇団のホームページを見たり、友の会の入会方法をチェックしたりしてる自分に気付き、ハッとなってます(笑)