KinKi Kidsにハマりながら

KinKiや、ミュージカル、美術鑑賞のことを綴ってます。

「エリザベート」観劇してきました!

7月末の土日に、ミュージカル「エリザベート」を初観劇してきましたので、感想を(^^)
長い文章のうえ、ネタバレありますので、ご注意くださいませ(^^;)






とにもかくにも「エリザベート」は、本当に本当に素晴らしいミュージカルでした!!
楽曲、役者、ストーリー、衣装、舞台装置全てが魅力的で美しく、今すぐにでもまた観たいと思わせる作品ですね。
さすがは、宝塚から始まり、東宝でも何度も再演し続けられてるだけのことはある、本当に秀逸なミュージカルだと思いました。

私は、どうしても両方のトートを観たいと思い、幸運なことに土曜に古川雄大さんトート、日曜に井上芳雄さんトートを観ることができました。
二日ともエリザベート役は花總まりさん、ルキーニ役は山崎育三郎さんというかたちでチケットを取ることができ、このエリザベート観劇によって、ダブル、トリプルキャストで演者が変わり見比べることのできる贅沢さを知ってしまった感じです。

興奮冷めやらずで、何から語っていけばいいか迷いますが、まずは何といっても楽曲の素晴らしさでしょうか。

芳雄さんがSONGSでも披露されていました、トートの代表曲でもある「最後のダンス」や、
先日、FNS祭で育三郎さんと宝塚のトップさんが披露されていた、皇太子ルドルフとのデュエット「闇が広がる」は有名ですが、
その他に「愛のテーマ」という曲があり、本当にロマンティックで、私の一番のお気に入りになりました。
主要な曲のようで、歌詞を変えて何度かリフレイズで歌われますので、このミュージカルのロマンティックな雰囲気はこの曲によっても支えられてる感じがします。
やはり、大ヒットするミュージカルは、圧倒的に楽曲が良いですね。
どの曲も一度聴いたら忘れられないメロディというのが、一番大事だと思います。

そして、キャストの実力がこの大作を、より大きな成功へと導いてるのでしょう。

古川雄大さん、私は全くの初見でして、若くて人気のある俳優さんらしいという認識だけで参りましたが、まぁ、本当に容姿端麗で二次元世界から抜け出たような、宝塚男役のトートと言っても通用するくらいの超絶美形な方でした。
お顔が本当に美しく、びっくりするくらいの小顔のうえ、背は180センチを超えているので、まさに9頭身の少女漫画仕様に驚きましたね。
なので、ある意味、人間離れされているので、この世のものでは無い「黄泉の帝王」という役が、本当にお似合いだと思いました。

トートの一番最初の登場の仕方が、天井から黒い羽根を背負って降臨してくるのですが、古川トートは、まさに黄泉の国のプリンス降臨というか、あまりの美しさに息が止まるかと思いましたね。
絵画のように美しく、この登場シーン見ただけでも、初エリザベート観劇で、初トートが古川さんで良かったなぁと心底思いました。

そして、容姿だけでなく、歌も演技も想像以上にというか、本当にお上手でした。
歌唱力はそれほど…という噂も耳にしましたが、そんなことはなく、とても素敵な歌声で、体の線が細い方の割には声もそこまで高いわけでもなく、私好みの素晴らしい歌声でした。

古川さんは、元々ダンスをされていた方のようなので、長い手足を生かしたがダンスはもちろんのこと、指先、つま先にまで神経が行き届いているので、ちょっとした所作が大変美しく、イチイチ絵になります。
ダンスの素養がある方は、振りつけのある大きな動きよりも、ただ立ってるだけ、ただ歩くだけ、ただ腕を広げるだけという、ちょっとした仕草に、違いがよく現れるものだと思います。
そういえば光一さんも、何気なく立ってる姿や、無意識にとってるポーズが美しいですよね。
やはり美しい顔と、美しい所作が揃うと、とても品があり優美で最強だわと感じます。

ただ、あまりに人間離れした美しい古川トートなので、ただの人間の娘(15歳のエリザベート)を一目見て恋に落ちるという設定に、イマイチ説得力がないような気がしましたね(笑)
エリザベートを愛して求めているようには到底思えないというか、なんと説明していいかわかりませんが、妖精のように美しすぎる男性って、性的な匂いが全く感じられないので、孤高が似合うというか、もしくは青年期のルドルフ皇太子とのツーショットの方が絵になっている気がしました。
だから、ルドルフに死の接吻をする姿があまりにも美しくて目に焼き付いて離れませんでした。

一方、井上芳雄さんのトートは、抜群の安定感と包容力がある帝王様に感じられました。歌声の深みが、やはり素晴らしいですね。
時に優しく甘くささやくように、時に狂気的に求めるように、時に冷酷に刺すようにと、歌だけで全部違った表現できるのは、流石だわと思いました。
エリザベートを愛してるように感じられる雄感も出てましたし、あとは年齢的なこともあるのかもしれませんが、少年期のルドルフに「君の友達だ」と近づく場面が、友達というより父性が感じられ、皇帝フランツ・ヨーゼフよりもルドルフのことを理解している、もう一人の父親にも見えました。

主役であるエリザベート花總まりさん、15歳の少女から暗殺されるまでの60歳を見事に演じ分けられていたので、実年齢が私とほぼ変わらないと知った時には、本当に驚きました!
宝塚で10年以上も娘役トップを続けられた奇跡の娘役であり、東宝でのエリザベートも芳雄さんと共に2015年からされていらしゃるので、凄い実力を持った方ですね。
15歳の少女のように可愛らしい高い声で話たり歌ったりする、シシー(エリザベート)の姿に、何の違和感もないのが、ほんと凄いです。

そして、一幕の最後に、肖像画でも有名な、宝石でできた星を散りばめた豪華な髪に美しい白いドレスを身にまとい振り向く瞬間の神々しさと貫禄は、本当に絵画から抜け出たかのようで、気品とオーラが素晴らしかったです。
それまで、姑の皇太后ゾフィーとの確執や皇帝フランツへの不満で、自分の思い通りにいかず悩んでいたエリザベートが、王子の養育権や自分の意見が通った瞬間でもあるので、
花總エリザベートは、その場面で、先程までと違って、声のトーンを低くして落ち着いた話し方になり、弱い立場だったエリザベートが、自信と貫禄に満ち溢れた皇后エリザベートに切り変わる瞬間を見事に表現されていました。

皇帝フランツ=ヨーゼフは、初日に平方元基さん、次の日に田代万里生さんで観ました。
平方さんは初見でしたが、とても安定感があり、母のゾフィーには歯向かえないけど、エリザベートを守りたいという包容力と、それができない葛藤がよく分かりましたし、特に歳を取ったあと皇帝の演技が素晴らしかったです。

万里生さんは、何度か拝見たことがあり、もともと声が高くて童顔な方なので、皇帝役には若過ぎるのではと思ってましたが、こちらも素晴らしかったです。
エリザベートを見初める若き日の皇帝はもちろんピッタリですし、歳を取っていくさまも、よく演じられていました。
こんな低い声でセリフや歌うこともできるのですね。さすがは東京藝大の声楽科ご出身、おみそれいたしました。

ポスターや宣伝では、エリザベートとトートのツーショットが主なので、この二人が一番出番が多いのかと思いきや、実は暗殺者ルキーニが、狂言回しとして一番出番が多いんですね(^^;) 見るまで知りませんでした。
山崎育三郎さんも、最近に気なってる俳優さんで、「プリシラ」も観に行ったぐらいなので、2日間に渡り、育三郎さんの実力と才能を思う存分堪能出来たことに、とても満足してます。
ルキーニ育三郎さん、本当にハマり役だと思いました。
最初から最後まで出ずっぱりに近く、いろんな歌い方、ダンス、話し方をしつつ、でも、ずっと下品な雰囲気を出してなきゃいけないという、とにかくこの役は、器用な役者じゃないと、絶対に務まらないです。
育三郎さん、王子様から、ドラァグクイーン、ルキーニのように胡散臭い下衆びた役まで、七変化のように何でも演じられるのは、本当に素晴らしい才能だと思います。
この方は次はどんな役をやってくれるのかと、非常に楽しみですね。

太后ゾフィー役は、初日に、涼風真世さん、次の日に香寿たつきさんで拝見しました。お二人とも、私が宝塚にハマっていたときに観ていた方だったので、懐かしかったですね。
同じ役でも、それぞれに合ったドレスを身に付けられていて、涼風さんは主に深緑色を、香寿さんはえんじ色をメインにしてあり、デザインも違うし、ヘアスタイルも変えてあり、そういったところも楽しめますね。
涼風さんのゾフィーは、お妃教育の一環でエリザベートに厳しく接しているのだけれど、息子を取られて嫉妬しているヒステリックな感じが出ているのに対し、
香寿さんのゾフィーは、国の為に己を犠牲するのが皇后の務めだという、どんな時でも気丈で鉄の女という雰囲気に感じましたね。
こうなると、もう一人の剣幸さんの姑具合も見てみたい気がしてきました(笑)

皇太子ルドルフ役は、幼少期と、青年期で役者が分かれており、幼少期を演じる子役さんの方が出番が多いということも、観に行って初めて知りました。
青年ルドルフ役は、井上さんも古川さんも演じられていたので、花形でしょうし、てっきり、もっと出番の多いものだと思っていたのですが、オープニングに出た後は、2幕の途中からしか出てきませんし、あっという間に散っていってしまうので時間としては短い役なんですね(^^;)
ただし、トートと一緒に名曲「闇が広がる」を歌いますし、見せ場が凝縮された花形に間違いないですが。

青年期ルドルフは、初日に三浦涼介さん、次の日に京本大我さんを拝見しました。
お二人とも、初見でして、三浦さんについては全く予備知識も無く拝見しましたが、ダンスも歌も上手な方ですね。
女の子のような可愛らしい顔立ちの方だったので、まだ大人になり切れてない幼さが残るルドルフが、トートに翻弄されてしまった結果死に至るような雰囲気がしました。

京本さんについても、SixTonesのMV見たことくらいしかなく参りましたが、悲劇の王子に相応しい美しい顔立ちで、歌もダンスも上手かったですが、私は特に彼の演技が気に入りました。
銃の引き金を引き、撃つまでの短い瞬間に見せた表情が、素晴らしかったです。
絶望であきらめた乾いた笑顔とも、これで楽になれるという安堵の笑顔ともとれるような、複雑な笑顔がとても印象的です。

最後に、しょうもない感想言っていいですか(笑)

トートがルドルフに死の接吻をするシーンがあることを、私は全く知らなかったので、初日は、古川トートのと三浦ルドルフの突然のキスシーンが、あまりにも美しく2次元過ぎて、ちょっとしばし放心状態に陥りました(笑)
なので、次の日は、死の接吻シーンを、もう最初から気合いれてオペラグラスで待ち受け、井上トートと京本ルドルフをガン見しました(笑)

一緒に観ていた同級生が、初演の頃から比べるとと、キャスト全員、顔が綺麗でシュッとしてるし、そもそも昔と頭身が違うよねと呟いてました。
彼女は、トート山口祐一郎さん、エリザベート一路真輝さん、ルキーニ高嶋政宏さん、ルドルフ井上芳雄さんの時に観たことがあるそうで、確かに顔の大きさと濃さが今とは全く違う感じですね(笑)
彼女いわく、山口さんのトート、実力はさすがだったけど、黄泉の帝王というより生身の普通の男性にしか見えなくて、井上ルドルフとのキスシーンが、全くいただけなかったってわって(笑)
前回の城田優さんのトートがあまりにもビジュアルが美しすぎたのもあるかもしれませんが、今後トート役は、歌やダンス演技はもちろん必須なうえ、なおかつ超美形で背の高い人しか、演じてはいけないような気がしてきました(^^;)
長髪に、長いマント姿が映えなきゃいけないですし、死の象徴でもあるから、あまり男臭いのはイメージ合わないですものね。

すみません、長々と感想にお付き合いくださり、ありがとうございました(^^;)
でも、もっと語りたいことがあるくらい、素晴らしいミュージカルなので、できれば、今月の千秋楽までにもう一度観られたらどんな素敵かと、今必死に当日券を狙ってるところです。